11/7 習作 『白黒写真の記憶』
お題『既視感』
ぴえろなさんからお題をいただきましたので、
3枚くらいのシナリオを書いてみました。
デジャウーということで、何かしらオチを強要する課題だったので
少し考えました。
『白黒写真の記憶』
登場人物
早咲喜郎(19)大学生
金見哲治(27)指名手配犯
◯繁華街・歩道
早咲喜郎(19)が半泣きで歩道をうろちょろしている。
落ち着きのない様子で足下に視線をさまよわせる。
道ばたのジュースの自動販売機の下にへばりついて、自販機の隙間に手をいれてまさぐる早咲。
見かねた小料理屋のおばさんが早咲に声をかける。
おばさん「どうかしたの?」
早咲「財布をなくしてしまって……」
おばさん「交番には行ったの?」
早咲「ええ、さっき」
おばさん「もし、おばさんが見つけたら交番に届けておくからね」
早咲「スミマセン。お願いします」
早咲、おばさんに軽く礼をして、走り去る。
◯コンビニ・入り口
コンビニの入り口をうろついている早咲。
早咲M「コンビニでアイスを買ったときにはまだ……」
早咲、コンビニの入り口をうろついていると、コンビニからでてきた客、金見哲治(27)にぶつかってしまう。
早咲「ス、スミマセン! 大丈夫ですか?」
早咲にぶつかられた勢いで尻餅をついた金見は無言で立ち上がる。
早咲「…………」
早咲、金見の顔をまじまじと見つめる。
早咲「あの、どこかでつい最近会ってませんか?」
金見が驚愕の表情で早見を見る。
早咲のポケットの携帯電話が鳴る。
早咲「すみません。電話が……もしもし? えっ、それホントですか? はい! 今すぐ取りに行きます! 10分後くらいには! はい! お願いします!」
早咲、電話を切って晴れ晴れとした表情。
早咲「あ、えーっと、スミマセンでした。それじゃあ!」
早咲、はずんだ声で金見に告げ、駆け足で立ち去る。
◯交番
早咲、ベンチにかけながら、ふと貼紙を見る。
白黒の顔写真の下に金見哲治と名前が書かれている。
早咲「あッ!」
/了
ありがちな話で申し訳ないですが、
最近、ぼくのシナリオの傾向として『立ち去る』というのがすごく多い気が。
気をつけないといけませんねー。
何かお題ありましたら、いただければ短いシナリオ書かせて頂きます。
お題募集中です。
2015/11/7 引導