1/13習作 『タクミ叔母さん』
課題『魅力のある叔父』
枚数:10枚
目標
・映像からどうやって『叔父(主人公の母or父の弟)』の関係だとわからせるか?
『タクミ叔母さん』
人物
桐生ミホ(15)高校生
桐生タクミ(28)ネイルサロン店長荒木学(15)ミホのクラスメート
畑健二(15)荒木の友人ネイルサロンの店員
○道(夕)
洗面器を片手に桐生ミホ(15)が歩いている。
洗面器の中にはシャンプーのボトルとバス用のスポンジ。
オフィスビルに入っていくミホ。
○オフィスビル内・ネイルサロン『雅』(夕)
エレベーターの表示が7Fで点灯し、扉が開いてミホが出てくる。
受付カウンターへ向かうミホ。
受付に女性店員が立っている。
ミホ「こんにちはー。あのータクちゃん……店長いますか?」
店員「ちょっと待っててね。(店奥に)店長ー!」
店奥のスタッフルームから、黒いエプロンドレス姿の桐生タクミ(28)が現れる。
桐生「ミホじゃない! 学校帰り? うちに来たってことは、とうとうミホもオンナ磨きに目覚めたのね。好きな人ができたの? どんな子? アタシに任せなさい。他ならぬ姪っ子の頼みだもの。 メールの書き方から、デートの誘い方まで男心をレクチャーしてあげる。さ、さ、入って入って」
ミホ「いや、そういうんじゃないし。お母さんに頼まれたの。これタクちゃんに渡して、って」
手提げ袋を桐生に渡す。
桐生「あらアリガト。姉さんのタルト、たまに無性に食べたくなるのよねえ」
ミホ「それじゃ、私行くから」
桐生「ちょっと待ちなさいよ。爪磨いてピカピカにしてあげるから」
ミホ「そーいうのキョーミないし。私が陸上やってるの知ってるでしょ?」
桐生「知ってるわよ。磨くだけだから、ね?」
ミホ「今は忙しいからまた今度ね。今から銭湯行くし」
桐生「そういえば姉さんがお湯釜壊れたって嘆いてたわね」
ミホ「部活帰りで早く汗流したいからもう行くね。じゃ」
エレベーターに一直線に向かうミホの後ろ姿を寂しそうに見る桐生。
○コンビニ前の道(夕)
コンビニの前でたむろっている制服姿の荒木学(15)と畑健二(15)。
二人とも腰パンで不良座り。
畑が通りを歩くミホを指さして、
畑「(荒木に目配せして)おい、アイツ!」
荒木「あの野郎……シメとくか」
ミホの前に立ちふさがる畑と荒木。
ミホ「なによ! アンタたち!」
キッと二人をにらみつけるミホ。
荒木「よくもオレらに恥をかかせてくれたな。このチクリ野郎!」
ミホ「元はといえばアンタたちが悪いんでしょ。邪魔だからどこかに消えて」
畑「おー。コワイコワイ。ガッコの外でも委員長キドリか、勘違い野郎」
ミホ「アンタたち日本語通じないの? サル以下ね。さっさとどこか行ってよ」
荒木「黙って聞いてりゃテメエ!」
ミホの肩を乱暴につかむ荒木。
ミホ「(狼狽して)ちょっ、何すんのよ」
畑「荒木、そのまま押さえてろよ」
背後からミホのスカートをめくる畑。
畑「こいつ、グレーの下着なんてはいてやんの。学校掲示板にアップしてやろうぜ」
ミホ「(涙目で)ちょっと嘘でしょ。やめて!」
必死にもがくミホ。
激しい足音と共に、ミホたちの元に全力疾走してくる桐生。
桐生「何やってるのアンタたち!」
荒木「なんだこのオバさん……」
畑「美人じゃん」
桐生「ミホから離れなさい! じゃないと容赦しないわ」
荒木「うっせえぞ! オ・バ・さ・ん」
桐生が正面蹴りで荒木をふっとばす。
倒れて起き上がらない荒木。
桐生「アタシね、高校時代、空手部だったの。部長で主将だったわ」
畑「うらっ」
桐生の懐にとびこんで抱きつく畑。
桐生「積極的なコね」
畑「(青ざめて)は? こいつ……硬い?」
驚愕の表情で桐生から離れる畑。
脱兎のごとく逃げ出す畑。
ミホ、桐生に抱きつく。
○銭湯・番台前(夕)
番台で料金を払うミホと桐生。
桐生「あなたも姉さんに似て、おっちょこちょいよね。店に洗面器忘れるなんて……」
ミホ「だからって一緒に入らなくても」
桐生「たまには裸の付き合いもいいでしょ」
女湯のノレンをくぐろうとするミホ。
それに続こうとする桐生。
ミホ「叔父さんはあっちでしょ!」
シーッとジェスチャーする桐生。
/了
脚本では、
基本的に『男の名前は苗字で書き、女の名前は名前で書く』というものがあります。
つまり、そういうことなんですが、
(身内に対して)ツンツンしてるJKを書きたかったのですが、
あまりツンツンしてるとこはかけませんでした。
普段ツンツンしてるのに、悪いやつの手にかかって即堕ち2コマってのも、
かなり萌えるの好きです。
2016/1/13 引導