引導の脚本日誌

現在シナリオ勉強中!の引導のシナリオを掲載していきます

1/19習作 『ど・ち・ら・にしようかな?』

課題『喧嘩

枚数:11枚

 

課題の目的

・2人はなんで喧嘩をしているのか?(どういう喧嘩をしているのか?)

・喧嘩中は本音がでやすい(本音をかくこと)

 

ぶっちゃけ東京03のコントをイメージして書きました。

名前も元の人のちょい替えなので、誰か分かると思います。

 

コントってかくの難しいと思いました。

 

 『ど・ち・ら・にしようかな?


人物

犬塚篤(25)レンタルショップの客
宅田幹宏(26)同
遠本明(28)レンタルショップ店員

 

○レンタルショップ『GAO』・内

 レンタルDVDの洋画コーナーでパッケージを手にとって、内容を見ている犬塚篤(25)。

 

犬塚「うーん。どうしよっかなあ」

 

 レンタルカゴの中のDVDを取り出し、
 2つのDVDを見比べて、何度もクビをかしげる。

 

犬塚「うーん……」

 

 うなりながら、その場をぐるぐると歩き回る。
 2つのパッケージを持って、

 

犬塚「ど・ち・ら・に・し・よ・う・か・な、天の神様の……」

 

 と交互に2つを指さす。
 GAOの店員のユニフォームを着た遠本明(28)が、宅田幹宏(26)をつれて、犬塚が物色している棚にやってくる。

 

遠本「お客様がお探しの商品はこちらです」

 

 犬塚、数え歌と指さしを中断する。

 

犬塚「(背後の2人を意識して)……」

遠本「こちらの棚のですね、ええと……。それにしても、お客様はお目が高いですね。あの、知る人ぞ知る傑作映画『ゴースト・シャーク』をお探しとは」

 

 犬塚、手にしているDVDのパッケージを確認する。
『ゴースト・シャーク』が。

 

遠本「ぼく、ここで働いているくらいなんで、かなりの映画好きなんすけど、ここのDVDはほとんど観ましたが、その中でも『ゴースト・シャーク』は指折りです」

 

 棚を物色する遠本の手が止まる。

 

遠本「(宅田に)大変申し訳ございません。ただ今、『ゴースト・シャーク』はすべて貸し出し中になっております」

 

 『ゴースト・シャーク』のDVDをもって、忍び足で立ち去ろうとする犬塚。

 

宅田「(犬塚に)ちょっと待ったぁー!」

 

 嫌そうな顔で振り向く犬塚。

 

犬塚「……え? なに?」

宅田「そのDVD、おいてってもらおうか」

犬塚「えっなに? なんですか? だれ?」

 

宅田「(自信げに)実は、ずっと見させてもらったよ、きみの行動」

犬塚「……は?」

宅田「きみは、そのDVDを借りるか迷い、正直どっちでもよかった。でも、オレがそれを借りにきたから、なんだか渡すのが惜しくなってしまった……そうじゃないか?」

 

犬塚「なんなんスか。言いがかりですよ」

宅田「いいや。きみは、天の神様の言うとおり……とかやってた。
 別にどっちでもよかったんだろ! 白状しろ!」

犬塚「だとしても、ぼくはもうこれ借りるって決めましたから。横どりはやめてくれませんか?」

 

宅田「はあ~? ちょっと店員さん! この人に何とか言ってやってくださいよ」

遠本「(困り顔で)そう言われましても……。先着順ですので」

 

宅田「かあ~っ! 何が先着順だ。公園のブランコじゃないんだから。ここは映画をたしなむ知識人たちの憩いの場、GAOですよ? そんな子供じみたルールに縛られて、何がリッパな大人ですか!」

遠本「(少し考えて)……なるほど。一理ありますね」

犬塚「うおーい! 店員ー!」

 

宅田「そこで提案なんだが、この映画の見所をオレときみで発表し、優劣を店員さんにジャッジしてもらう、そして勝った方がこのDVDを借りる……どうだ?」

犬塚「いやいや、オレ観たことねえし!」

 

宅田「なら、オレの不戦勝か……」

犬塚「ちょっと待てよ。大体アンタ、一度見たことあんなら、今回はオレに譲れよ。な?」

宅田「それはできんな。オレはその日に観たいと思った映画を観ないと、
 気になって眠れないんだよ!」

犬塚「(ためて)~知らねえーよー!」

 

宅田「……こんなにお願いしても、ダメか?」

犬塚「アンタとしゃべってるうちに、ドンドン渡したくない欲が高まってきたくらいだよ」

宅田「……隙あり!」

 

 犬塚の手からDVDを奪って、レジに向かって走り出す宅田。

 

犬塚「店員さん! いいんですか今の!?」

遠本「(激しい身ぶりで)GO! GO!」

犬塚「はあ~?」

 

 レジに向かって走る犬塚。


○同内・レジ前

 レジで財布から小銭をだしている宅田。
 走ってレジにやってくる犬塚。

 

犬塚「その会計、ちょっと待ったー!」

宅田「へん! 会計を済ましちまえばこっちのもんよ! ……あれ?」

 

 財布のカードポケットを探る宅田。
 薬局のPカードなど大量に並べて、

 

宅田「(悲しそうな顔で)カード忘れた……」

 満面の笑みで宅田の肩に手を置く犬塚。


○犬塚家・篤の自室(夜)
 テレビを観る犬塚。
 画面には『ゴースト・シャーク』のスタッフロール。

 

犬塚「あいつら! 超ツマンなかったじゃねえか! なんだこの映画!」

 

 パッケージを壁に投げつける犬塚。

 

/了

 

 

(奇抜な)サメ映画として知られる『ゴースト・シャーク』。

正直なんの映画でもよかったのですが、字面が面白いのでゴースト・シャークに。

実はぼくは見た事ないのですが、内容は知ってたりします。

 

2015/1/27 引導