11/16習作 『ぼくは情けない声でそう言った。』
課題『イライラしてる人』
原稿用紙4枚
毎回、なにかしら恋愛モノを書いてるような気がします。
今回は学園モノです。
『ぼくは情けない声でそう言った。』
人物
上野タイヘイ(16)高校生
高木莉奈(16)上野の幼なじみ
◯××高校・校舎・学食
食券の券売機の前でオロオロしている上野タイヘイ(16)。
上野「えーッと……。どうしようかな……」
上野の人さし指が"カレー"と"天ぷらうどん"のボタンを行き来する。
上野の背後で、高木莉奈(16)が、ダン!と足を踏みならし、腕組みで上野を睨む。
あせる上野。
そのわきからニュッと莉奈の腕がのびて、"カレー"を押す。
莉奈が券売機から食券を持ち去り、カウンターに食券を提示する。
上野「待ってくれよぉ~~。莉奈ぁ~~」
莉奈を追いかける上野。
◯学食・テーブル席
上野と莉奈が料理と席に着いている。
莉奈「アンタってホント、優柔不断よね」
上野「だって……」
莉奈「他人に迷惑。見ててイライラする」
上野「あー。でも、やっぱり今日はうどんにすればよかったなあ……」
カレーを食べる上野。莉奈はため息。
莉奈「それで相談って?」
上野、黙って薄ピンクの手紙を莉奈に。手紙を読み、顔色を変える莉奈。
莉奈「こ、こんなのイタズラよ。美人って性格わるいのよ? 絶対だまされてる!」上野「でも、同じ図書委員で、本の趣味が似てて、よく手作りのお菓子くれるんだ……」
莉奈、信じられないといった表情。
莉奈「アタシにどうしろって言うの? まさかこんなことも自分で決められないの!?」
うつむきがちに黙り込む上野。
莉奈「あ~もうバカバカしっ!」
莉奈、テーブルに手紙を叩きつけて、食器をもって席から立ち上がる。
上野「あ、あの……。待って……」莉奈「イヤ。付き合ってられないわ」
上野「ぼくが好きなのは莉奈なんだ!」
/了
2015/11/16 引導