引導の脚本日誌

現在シナリオ勉強中!の引導のシナリオを掲載していきます

1/27習作 『養殖お嬢様』

 

課題『告白

枚数:12枚

 

課題の目的:

セリフの課題なので、カミングアウト

今まで何を隠していて、何を告白するのか?

 

ex)誰に告白する?

恋人に? 奥さんに? 会社の上司に?

 

 

 

 

『お嬢様養殖』

人物

春日井響子(23)OL
中原陸(22)響子の友人
新条始(22)響子の恋人

 

○駅前・広場
 駅の改札からでてくる春日井響子(23)。
 駅前の交番付近でキョロキョロと周りを見回す。

 

中原の声「ヒビキさん!」

 

 手をふりながら、中原陸(22)が人懐っこい笑顔で駆け寄ってくる

 

中原「一体どうしたんスか?」

 

 響子、中原の胸ぐらをつかみ、

 

響子「ツラ貸せよ」

 

 中原、ちょっと嬉しそうに、

 

中原「はい! 喜んで!」


○ファミレス・外観

○同内
 喫煙席の扉の向こうに、響子と中原が向かい合って座っている。
 響子の手にはタバコ。

 

響子「おまえタバコは?」

中原「彼女がイヤっていうんでやめました」

 

 響子、難しそうな顔でタバコを消す。

 

中原「いや、いいっスよ、オレのことは気にしなくて……」

響子「ちがうんだ、ちがうんだよ! ウワーッ!」

 

 テーブルに突っ伏して頭を抱える響子。

 

響子「……もう無理だ。限界だよ」

中原「……ハジメのこと嫌いになったんスか?」

 

 突っ伏したままクビを横に振る響子。

 

中原「……だったら、猫かぶるのやめたらいいんじゃないスか?」

響子「バカ! そんなことしたら……フラれちゃうだろ!」

中原「そーっスかねえ……」


響子「ギリギリなんだよ! すでに。もうかなり疑われちゃってんだよ! もちろんタバコ吸った日に着てた服では絶対会わないように気をつけてるし、言葉遣いにはかなり気ィ遣ってるし……」

 

中原「(笑いをこらえながら)ヒビキさんが女言葉使って喋るの想像できないッスね」

 

 響子、中原の胸倉を乱暴につかむ。

 

響子「こっちは真剣に悩んでるんだぞ!」

 

 響子の目じりに涙が浮かぶ。
 中原がマアマアとなだめる。

 

中原「付き合って3ヶ月……でしたっけ? それだけ付き合ってれば、今さら本性しられたところで嫌われないと思いますけどね」

 

響子「と言うか、元はといえばお前のせいだよな。始君のタイプは、おしとやかなお嬢様タイプだって教えてきやがって。そんなの聞かされたら、フリをするしかねえだろ!」

 

中原「……ビビってるんスか?」

響子「(凄んで)あん!?」

 

 テーブルをバン! と叩いて、席から立ち上がる響子。

 

中原「昔のヒビキさんはもっと堂々としてましたよ。でも今のアンタは臆病な犬みたいだ」

響子「てめェ! ケンカ売ってんのか!」

中原「そうやって強がるのも、ハジメに本当のこと言うのが怖いからだ」

響子「(顔を紅潮させ)~ッ!」

 

 響子、激しくテーブルに両手を打ちつけて、

 

響子「……便所行ってくる」

 

 トイレに向かう響子の後姿。


○ファミレス・女子トイレ

 洗面台に両手をついて、深呼吸する響子。

 自分の頬に両手でビンタする。

 

響子「よし!」

 

 スッキリとした表情の響子。


○ファミレス・テーブル席
 席に戻ってくる響子。
 テーブルには、中原と新条始(22)が。

 

響子「えっ」

 

 ギョッとする響子。

 

新条「ヤッホー。響ちゃん。どうしたの? わざわざ三人でファミレスなんてさ」

 

 引きつった表情で中原に目配せする響子。
 ニヒルな顔で笑う中原。

 

響子「……ええ、ちょっと、始さんにお話したいことがあって……」

 

 ぎこちない笑顔のまま、ゆっくりと丁寧な所作で席に腰を下ろす響子。
 それをみて噴きだす中原。
 テーブルの下で響子の握り拳が震える。

 

新条「その前にぼくからも、ちょっと聞きたいことがあるんだけどさ」

 

 新条、スマフォを操作して、

 

新条「(画面を響子に見せ)この写真、何?」

 

 画面に、金髪の女性が不良座りで、木刀を背負い、手にはタバコ。
 響子の顔が青ざめ、凍った表情。

 

新条「中原くんからさっき送られてきたんだけど……。これ、響ちゃんだよね?」

 

 響子、少し黙って考えて、大きく一息つき、
 正面から新条を見据えて、

 

響子「そうだ。これはアタシだ。もうウソをつくのはやめる」

 

 真剣そうに響子を見つめる新条。

 

響子「黙っててゴメン。実は今まで演技してたんだ。始くんの理想に近づきたくて」

 

 響子、ポケットからタバコとライターを出し、
 タバコに火をつけ、吸う。

 

響子「タバコも吸う。髪だって、ホントは黒なんてガラじゃないし、いつもの服も趣味じゃない。化粧も……。だましててゴメン。でも、始くんのことは本気で好きだから」

 

 机ごしに新条の手をギュッと握りしめる響子。
 クスッと笑う新条。

 

新条「そうだったんだ。妙だとは思ってたんだよね。特に言葉遣いがウソっぽくて、実は笑いをこらえるの必死だったんだ」

 

 思い出し笑いをする新条。
 釣られて噴きだす響子と中原。


/了

 

書き終わってから気づいたんですが、

これげんしけんの咲ちゃんたちに影響受けてますな。

(苗字すら似てるという) 

 

元ヤンとちょっといいとこのおぼっちゃんの恋、

ということで構造が似ているのでしょう。 

 

さて

今回の作品の課題は『告白』ですが、

イデアだしの段階での思いつきは、

 

実はアタシ、今まで演技してたんだ…

 

ってセリフでした。

そこからなにを演技していたんだろう?とかって話を膨らませて

考えていました。

あとは毎回おもうんですが、ぼくはト書きが雑ですね。

小説かいてるときからそうだったんですが…。

 

というわけでなんとか課題だけはやってます。

(どんだけ怠けてもそこが最後のプライド)

 

2015/1/28 引導